たまにどうしようもなく意味のない文章をとりとめもなく書きたくなるときもあるのである

ああ、この一歩を踏み出す。現実では僕がただ一歩を踏み出しているだけだが、脳内において葛藤が渦巻いている。紫色をした葛藤が渦を巻き白色の脳脊髄液と交じり合う。それは脳そのものも侵食し始め、ジューサーに突っ込んだように粉々にされた挙句葛藤と脳脊髄液とのミックスジュースと混ぜ合わされた。そうして僕は一歩足を前に出した。
そのとき隣人の大音量のJーPOPが鼓膜に襲い掛かってきた。やつらは常にオレをこのオレを不安にしようっとしているに違いない。明るいテンポと美しい歌声意味不明の歌詞!!そう思ったときはすでにオレは血が激流に変わり頭に上った、激昂。望遠鏡で太陽を覗き込んだようなまぶしい怒りに身を任せ金属製のドアを蹴破りヘッドフォンを耳に当てている長髪の男性を蹴り飛ばす。男の顔はそのとき驚きだけが浮かんでおり思考と行動は石の彫刻のごとく停止していた。そのときの顔は印象的で詩的で官能的で網膜に焼きつくほどの鮮烈さを僕に放っていた。それをみて僕はどうしようもなくこの男が哀れでいとおしくなりさっきまでの怒りがすーっと引いていった。氷水に入ったように体温が低くなっていった。冷静さをとりもどす。
僕は2歩目を踏み出す。無数の不安に囲まれていた。
続く・・・