心の病

「そりゃもう生きてたら嫌なことなんて山のようにあります。人間いやなもんはいやでしょう?少なくともぼくは嫌ですね。だからこれまで嫌なことは避けてきました。だから、普通の人より苦労した経験というのは少ないと思いますよ。でも、苦労したからといって何なのだといいたいですね。そもそも、苦労した経験を生かすという前提で苦労しろという人がいます。でもそれを生かしてどうするかっていうと苦労を減らすわけじゃないですか?もしそうじゃないとしたら苦労した意味はただ辛いことに耐えられるようになっただけじゃないですか。そりゃ、辛いことに耐性のある人間は大体のことを成し遂げられると思いますよ。でもね、それが個人ならいいんですけど組織になるとどうですかね?自分以外の人間がいっぱいいます。そしてその1人1人が自分とは違うわけです。そんなところで辛さに耐性のある人間を基準に考えるとどうなりますか?必然的に平均より上のレベルになってしまいます。そしてそのレベルの高い基準を超える人間は同じ辛さに耐性のある人間ということになります。で、辛い経験を多くした人間がそんなに多くいると思いますか?苦労して今まで生きてきましたっていう人間がはたして何人いるんでしょうか。僕にはそんなに多くの人間が苦労してきたとは思えませんね。つまり、その基準は組織の平均にはあっていないということになります。そこで基準を満たす人間を求めようとしたら、多分集まんないんじゃないですかね。集まったとしても何年後になるんでしょうね。そう考えると苦労したことって確かにすごいことではあっても自慢するほどのこととは思えません。いくら苦労しても何の効果も無いのでは結局は無駄です。他人に自慢すること以外の意味はありません。まぁ、自慢事態が何の意味も無いということを考えると、結局はどうでもいいことになってしまいます。そもそも利便性と効率を追求する社会で苦労を求めるなんておかしくないですか?」